2018年8月12日日曜日

谷崎潤一郎「文章読本」を読了

4月6日から読み始めて、5月ごろ(丁度1ヶ月)で読了しました。
文章読本の初版が1975年なので40年前の古典です。表紙も今風ではなく、文体も古めですが努力したら読めます。

動機

社内研修の敬語やビジネスマナーで困った時に先輩に勧められたのがきっかけです。

結論

な ぜ こ れ を オ ス ス メ し た。 

全然、敬語とビジネスマナーに関係なかった!!
でも、得るものはあったので、書き残しておきます。

どういう本なのか

「理科系の作文技術」は以前読みましたが、「文章読本」は毛色が異なります。「いかにわかりやすく簡潔に書くか」よりも、引用すると「日本人が日本語の文章を書く心得」を目的としています。「伝える文章」から「読まれる文章」といった感じでしょうか。

例えば

「どこで読点(、)を打つべきか」
「文中の漢字にルビを振るべきなのか」
「正確に物事を表現するには、どう書くべきか」
「そもそも、言葉がうまく伝わらないのはなぜなのか」
といった問いに対する答えが書かかれています。

とはいっても、全てにおいて正解ということもなく、谷崎の指針といった感じです。

あまり多くは語れないので、記憶に強く残ったところを挙げておきます。

  • 「思ったことを言葉で正確に伝えるのは不可能。言葉の型にいれるため絶対に齟齬が発生する。そもそも日本人は国民性として昔から寡黙で自信を謙遜することを美徳とする。一方、西洋人は自己を主張することが美徳とされている。この点において、日本人は西洋人と同等ではなく、考え方も異なると頭に置いておく。科学においては西洋からの文化なので、正確さや主張をするのがよい。小説においては日本人に向けて書くのなら、日本人が美徳とする書き方が良い。」
  • 「文法は西洋の科学であり、日本はそれを取り入れたけど、そもそも区分が当てはまるものではない。日本語は文法に曖昧性がありすぎて、そこが良い。文法にとらわれすぎるよりも、流れを感じた方がいい。」
  • 「送り仮名については、たとえ文法に反しても、読み間違いを防ぐ書き方をした方が良い。読者に親切にしては際限がないため、ある程度の常識やセンスのない人は置いていったほうがいい。読者に親切すぎるのはかえってよくない。」

僕には、まだその心はわからないなぁ。

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